JSAI2024 3日目
聴講した発表をいくつかピックアップ
適宜加筆修正します
自然科学領域に最近のAIの適用を試みる例を聴いてみる
モデルの学習監視や評価だけでなく、LLMアプリケーション運用フェーズでも使えるらしい
急に当事者になった
AIは『鉄腕アトム』の夢をみるか?~生成AIによるコンテンツ制作の可能性と問題(手塚 眞さん)
https://gyazo.com/d8322da4e813fb07ae035835fa0937d3
ヴィジュアリスト
国際AI会議@名古屋 (1997)
動物がライブデモに応じなかった。寝てた。
「この発表は失敗だったな」
と思ったが、昨晩にロビーでスタッフにたくさん遊んでもらって興奮状態で寝れなかった。翌朝疲れが出て寝ていた。ということだった。細かくプログラムされていた。
本当の友達だと錯覚して大切に触れ合っていた事例
プログラムの枠組みを超えて手懐けてしまったユーザーの事例
AIを使ったマンガ制作
「TEZUKA2020」 (2020)
ストーリーを与えてマンガ向きのプロットをAIに書いてもらうが面白くなかった
AIが提案してきた文章からキーワードを抽出して組み立てた(人間とAIの協働)
「TEZUKA2023」(2023)
ブラック・ジャックの続きをAIに考えさせる
AIが作ったストーリーの課題: 人間味の欠如
画像生成: よく特徴を捉えていたが、手塚氏以外のイラストの版権問題により描き直した。生成モデルが過去に学習したイラストの権利関係が複雑だった。
副題も考えさせた
「命があるように見えてしまうことがある」: 面白さであって憂鬱さでもある
AIに創造的(クリエイティブ)な発想ができるか
抽象的な精神活動の表出
人間の最大の能力は抽象的思考である
0から1は生み出せない
情報の複雑な組み合わせで生まれる
ものは意外と複雑にできている
ラスコー 洞窟壁画 約2万年前
動物という物体を印象的な輪郭線によって平面に置き換えられている 現実にあるものだけが書かれているわけではない
現存していない(おそらく当時もいない)動物を描いている
過去の記憶やDNAレベルの記録をたよりにイメージしているのか
土偶、土器 約6000~1000年前
人間とはかけ離れた姿を実現している。相当なクリエイターである。
クリエイティブな発想の要因
外的要因
制作条件
これがないと永遠に完成しない
いつまでも同じ絵を描く画家
時間空間
どこで?なぜいま?タイミング
内的要因
学習
記憶
幼少期の記憶、体験
感性
超心理的要因
インスピレーション
いきなりひらめく
上記の要因を処理する前に突然思いつくこと
「人間の頭もAIと同じような感じなんですけれども」なぜかはわからない
発見
たまたま見たものをきっかけに突然思いつく
偶然性
クリエイティブな制作プロセス
AIはどこができるか?
発想△ → 計画△ → 実行◯ → 検証▲→発表▲
「AIは評価できるか」「AIが評価したものを人間が評価できるか」
つまり
◯: 模倣、シミュレーション、パターン化、外的要因による造形
→ パターン化されているエンタメコンテンツの生成には向いている
✕: インスピレーション、意味によるテーマの創出、心理的要因・完成による創作
「発表」も制作プロセスの一部
映画は客に見せて、客の頭の中に入った瞬間で「完成」
創作パートナーとしてのAI(エージェント的役割)
デジタルメーキャップ
生成AIを使ってゆくために
プランをしっかり立てる
個人やプロジェクトにあわせたカスタマイズ
つねに専門家(プロフェッショナルなクリエイター)が必要になる
→ 「AIのためにクリエイターがどんどん育たねばならない」
プロフェッショナルなクリエイターになるには
最初からAIに頼ってはいけない。ノウハウを自分で学ぶこと。
出鱈目なものでもよいということになってしまう
質疑応答メモ
一般の評価は現時点での評価、クリエイターの評価は未来の評価
ブラック・ジャックも当時の漫画のランキングでは3~4位だった
物理法則を無視した表現のほうが面白かった事例は人間の創作でもすでにたくさんある
AIがこれを出力しても全く驚かない
何を面白いと思ったかが人間の発見である
これまでクリエイターとして活動できなかった人を掘り起こす効果もあるか?
結局は根底にある心の作用と漫画が扱う情報量を理解したうえで使うことが大事
「世の中のほとんどのものは、シンプルで単純でそこまでのものではないんです」
これはAIの登場以前に人間の創作活動においてすでにそう
一方で、この状況でさらに進んだ表現を生み出したいと考える人が出てくる
パートナーとしてのAIが、自身の判断をどこまで説明可能であるべきと考えるか?
「説明できたほうがいいと考えるが、その説明を読む時間が無駄であるとも思う」
手塚治虫もそこまで説明せずにアシスタントに仕事を依頼していた
説明から物事を生んでいるわけではない
説明を聞いて判断が変わることはそうそうない
結果があればいいという立場
修正を試みたときに指示を出すうえで煩雑さの緩和につながる可能性はある
スポンサー展示場の様子
https://gyazo.com/abe6c2e776d05fa76b7a5fb3cf4fda46 https://x.com/Helpfeeltech/status/1796090209907642858
明日は最終日!展示棟でお待ちしています!
学会ご飯
https://gyazo.com/af9fec6f3a2d2909640bbb19bcc870eb